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Channel: 『植物マグマ』中山栄基 Official Blog
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【中山栄基の解説】東京の台所となる豊洲の地下水最終調査でベンゼン、シアンなどで基準を超える検査データをどう解析するか!

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先づ、水道水の水質基準は水道法第4条の規定に基づき、51項目について基準値が定められている。(表1参照)又、東京都下水道局による下水排除基準(東京23区)が定められている。(表2参照)

表1.水道法 水質基準項目(51項目)
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表2.東京都23区内の下水排除基準
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これまで豊洲で検査され、公表された5物質について基準値と比較してみよう。

表3.公表された豊洲地下水の化学物質測定データ
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表の検査数値は最高値を示したもので、ベンゼンとシアンについては水道水、下水道の基準値を上回っている。本来、上水道は51項目、下水道排除基準は41項目定められているので、これらすべてが測定されてしかるべきことと考えるが、何故、この5項目しか公表されていないのだろうか。

この測定結果からいくつかの疑問点が指摘されていますので、この疑問点を考察しましょう。

先づ、第1回~第8回までのデータと第9回のデータが違い過ぎるとの指摘があります。分析機関が変わったとのことですが、分析機関にはLaw Dataと言って、分析した時の生データが確らず保管されているはずですから、これを公表すれば、正しいデータか、捏造されたものか、分析精度が精密か粗いか、分析がマニュアル(SOP標準操作手順書)通りになされているか、或いは分析機関の信頼性が高いか否かなど、この疑問については直ぐにわかるはずです。

この地下水を飲むのか飲まないのかは別にして、少なくとも、上下水道の東京都の基準値を超えているということは地下に化学物質の汚染源があるということであり、どこからか流れ込んでいるとも考えられることにもなるでしょう。

ベンゼンとシアンの数値が基準値を超えていることについて、問題であるとする考え方と、水道法のベンゼン濃度の基準値が0.01mg/Lでこれを毎日2Lづつ、70年間飲んでも、人の最小中毒発現量である経口で130mg/kgに対して、490mg/headになるので、全く問題にならないので、基準値の79倍を示しても中毒は起こらないとする考え方も出されている。この2つの説ともに一理あると思います。しかし、基準値というのはあらゆる使い道を想定して定められたものですから、これを超えていることと、更に、下水道基準をも大きく超えているわけですから、豊洲の地下には化学物質が存在していると考えなければならないと思いますし、これを許せば基準値を定めた意味がなくなります。

東京都が決めた基準を自分達がないがしろにしたら、誰も順守しません。だからこそ、この5項目だけでなく、上下水道の測定項目を兎も角、すべて測ってみることは当たり前のことだと思うし、もし、測定しなかったならば、それは怠慢と言わざるを得ません。意図的にやらなかったといわれても仕方のないことだと考えます。

又、ベンゼンやシアン化合物は人間が作った合成化学物質ですから、これが検出されることはこの地域に化学物質の汚染源があることを示しています。一方、ヒ素、鉛、水銀などはもともと土壌中に存在しているもので、人間が土壌から単一の元素を分離抽出し、元素同志を結合させて化学物質を多種類作ってしまい、それが文明の発達に多大の貢献はしたものの、環境汚染と生物への有害作用を及ぼし、現代病を蔓延させてしまいました。しかし、ヒ素、鉛、水銀が検出されても元々地球上にあるものですから、ベンゼンやシアンが検出されたこととは、同一の土俵では評価できないと考えます。

豊洲の市場となる地はガス会社の跡地ということで石炭から抽出した様々の物質が存在しているといわれています。その証拠が地下水のデータです。

私は200ヶ所の上下水道基準の項目すべてを測定して、公表すべきと考えます。地下の汚染があるか否かの調査でしょう。至って簡単なことです。それがすべてマイナスならば問題はないでしょう。

FACEBOOKページ 中山栄基
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