化学物質を一切使用しないで作物を作る
自然栽培と農薬や化学肥料を使った人工栽培のどこが違うのかを確かめてみましょう。
表1は国立環境研究所が陸上植物200種、約700試料を1980~1981に採集し、中性子放射化で分析し、一試料平均25元素が定量され、定量可能な元素は45で、その内から高いレベルの元素をピックアップしたものです。
表2-1
表2-3
野生の陸上植物葉の元素分布は、カルシウム(Ca)、カリウム(K)が最も多く、次いで、塩素(Cl)、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)、アルミニウム(Al)となっている。しかし、図1は、私が開発した野生植物マグマではカルシウム1000に対して、ケイ素(Si)が880、カリウム(K)が690と続き、塩素(Cl)が220、マグネシウム(Mg)が140、ナトリウム(Na)98となっている。つまり、野生植物の元素バランスはカルシウムの次に多いのは土壌中に最も多いケイ素ではないかと考えます。
表2は女子栄養大学がまとめた「五訂食品成分表」より、主な穀類、野菜、海藻、果物、加工食品中に含有するナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、リン(P)、鉄(Fe)についてピックアップしたものですが、これらは人間が作った作物で、注釈はないのですが、野生のものではないと考えられます。
この表2のデータから読み取れることは、米、小麦、そばなどの穀類は圧倒的にカリウムとリンが多く、カルシウムは極めて少ないことです。又、芋類、根菜類のサツマイモ、さといも、ジャガイモも、大根の根、かぶの根、ニンジンの根などは圧倒的にカリウムだけが多いことです。
大豆、キャベツ、キュウリ、ホウレンソウ、シイタケ、エノキダケなどもカリウムが非常に多くなっています。
このように、畑の作物は野生植物のミネラルバランスとは全く異なり、カルシウムが極端に少なく、カリウムやリンが非常に多いものが際立っています。このバランスの違いが、現代文明人に癌や脳管系障害、心臓病、アトピーをはじめ、生活習慣病を招いている主な要因と考えたら、なるべく、野生植物のミネラルバランスに近い作物を選ぶか、工夫して、野生バランスに近づけることが大事であると思います。
ここで注目されるのが、海藻でミネラル含有量は昆布もワカメ、ヒジキも陸上植物葉の10倍以上高いことが注目されます。特にヒジキはカルシウムが多く、リンが少ないので、ゆでると、ナトリウムとカリウムがかなり抜けるので、カルシウムが多い食品になります。昆布もダシを取った後、ナトリウムとカリウムが減少し、カルシウムが多くなりますので、捨てずに加工して食べることを勧めます。
果物はカリウムが圧倒的に多く、生で食べるのがほとんどですから、このバランスを体内に入れてしまいます。こうしたなかで、比較的カルシウムがあるのは、小松菜でゆでることでカルシウムがカリウムより多くなっています。更に、すごいのは。ゴマで圧倒的にカルシウムが多く、作物の中では唯一といってもいいと思います。
かぶ、大根の葉もカルシウムが多く、ゆでることで、カルシウムがカリウムより多くなり、野生のバランスに近づきます。小松菜もゆでることで、カルシウムの方がカリウムより多くなっています。
豆腐は木綿の豆腐の方が絹ごしよりもカルシウムが多いのですが、これは水溶性のカルシウムですので、牛乳と同様、体液の方にカルシウムが多く入りますので、適量、木綿豆腐を食べるならばよいと思います。そう考えるとオカラはカリウムとカルシウムの比率が、2.3:1.0なのでかなり野生に近づいた加工食品ですね。
メープルシロップは野生から抽出しているので、いいですね。