John J.Ratey & RIchard Manningの「GO WILD」野中香方子氏の訳本を読まさせていただきました。本書によると、私達現代人に多発している癌、糖尿病や、リウマチなどの自己免疫疾患等々は文明の波に晒されていない、イヌイット、アリュート、北米のアパッチ、南米のヤノマミ、ミクロネシアの民族、オーストラリアのアボリジニ、アフリカのクンサンなどの先住民族の人々には滅多にみられないそうです。この現象にこそ、現代病を克服するヒントがいくつもあると考えますので、何回かにわけて、現代人がどれだけ野生人に近づけるか触れてみることにします。
GO WILD 野生の体を取り戻せ(目次)
第一章人類バージョン 1.0
なぜ進化による設計は揺るがないのか
第二章現代人を苦しめるもの
病気ではなく心身の苦痛
第三章野生の食事
炭水化物と文明
第四章野生の動き
動くことで脳を形成し、再形成する
第五章野生の睡眠
眠ると調子がよくなるのはなぜか
第六章マインドフルネス
野生の心に現れるもの
第七章バイオフィリア
私たちの最良の部分は自然の中にある
第八章同族意識
私たちを結びつける分子
第九章野生の脳
体が健康と幸せをつなげる仕組み
第十章野生の体を取り戻せ
私たちは何をしてきたか、あなたは何をすればいいか
本書は文明に晒されていない世界各地に暮らす先住民族と現代人に生じている様々な病気をこれまでの調査、分析データから、比較して、極めて適正な評価を示しております。即ち、人間は米、麦、トウモロコシなどの穀物、ジャガイモなどを自分達で作って、食べるようになってから、一気に癌、糖尿病、アトピー性皮膚炎、その他の現代病が蔓延していきました。つまり、現在、生じている沢山の文明病は自然の中でワイルドに生活を行っている人達にはほとんど起こっていないというのですから、取りも直さず、現代病は私たち人間が作り出してしまった病気ということになります。それは別の言い方をすれば、人間が作った病気ですから、人間がこれまでしてきたことをしなければ、現代病は治ることになりますね。それを人間が作り出した化学物質を中心に据えて、治そうとしているのですから、現代治療をすればするほど、悪化する可能性が高くなるのは自明の理ですね。
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