【中山栄基の解説】動物にも人間にも生体の司令塔なるものが存在し、24時間片時も休まず生命活動のために最良の方法を用いて生体のコントロールを行っていると考えます。この考え方が正統であるとするならば、検査回数は別にして血液・生化学検査の経過データを解析することで、その人の体の状況と司令塔の健康対策の方法を推理することが出来る。
人間のみならず、動物には生命活動及び生体活動のすべてを24時間休むことなく、コントロールする司令室があると考えられる。おおまかには脳がその役目を担っていると思うが、腸も第2の脳といわれるように、その役割を分担しているのかも知れない。こんな大事な事が確実であるかどうかわかっていない。私たちの体の中はわかっているようでほとんど未知の世界で、現代医学がすごく進んでいるように言われているが、実際にはほとんどわかっていないのではないだろうか。人類は現在の傲慢さを捨てて、謙虚にならないと、そう長くない時期に滅亡に陥るかも知れません。
現代医療のなかでは、確かに外科的治療については、ずば抜けた進歩を遂げていると思いますが、まだ修理・修繕という段階にとどまっているのではないでしょうか。本来、癌をはじめとする種々の疾病を治すということは元の健康な生体レベルを取り戻すということですから、客観的に体の実状を知る上において、血液・生化学データは極めて重要といえます。様々な疾病にかかる前とその後では血液・生化学検査をはじめ種々の検査で変化が生じることで、疾病の判断が出来るのです。
また、病気が治癒するということは、血液・生化学検査も元のレベルのデータになるということです。しかし、現代医療の多くは薬剤を用いて当該疾病で変化が生じている主症状とその検査項目ばかりをコントロールすることに集中している傾向にあります。それはどういうことかと言えば、糖尿病なら血糖値、痛風なら尿酸値を正常値に、癌だったら、癌マーカーや癌を殺すことに固執しています。しかし、それによる弊害は薬剤による二次的な障害、つまり、これまでの疾病とは別の疾病を併発してしまうことです。この問題は現代医療に携わっている医療従事者なら誰れしもが分かっていることです。しかし、如何ともし難いことで、わかってはいても出来ないのが現実です。だとしたら、疾病者側も自分の生体内状況が現代医療でどう変化しているのかをしっかり把握して、これから先、どういう治療が本当に適切であるのかを考えなければ、最も大事な生命を縮めてしまうことにもなりかねません。
タイトルの中で記したように、私たちの体をコントロールしている司令塔はどんなに体に悪いものが入ってきても、或いは、悪い生活習慣をしていても、最良の策を駆使して、私たちの体を常に守ろうとしているのです。それでも健康が改善しないのは、良いことをするよりも悪いことをする方が勝っているから、そうなるのは当然ですね。
抗癌剤、放射線、免疫抑制剤、抗生物質、ホルモン剤、ステロイド剤、鎮痛剤などを長いこと摂取すれば、体には様々な負担がかかり、血液・生化学検査データに異変が生じます。その時、体の司令塔は一生懸命に最善の方法で健康を維持しようとしますが、それでも免疫力の低下や貧血、蛋白質の低下、肝臓や腎臓、膵臓、心臓、胃など様々な臓器、器官に異常が生じ、健康を保つ為のコントロールができないところにまで来てしまっているということになりますので、こうした検査データからその人の生体の状況を推理できます。だからこそ、病気治療中の方は出来得る限り、繰り返しの血液・生化学検査を行い、体の変化を把握する必要があると思います。
私も2009年10月に胃癌が発覚し、手術も化学薬剤、放射線治療などもすることなく、自分で癌を消失させることができましたが、それは私の生体内の司令塔が免疫力を上げるような努力をしてくれたからと思います。胃癌発見時のリンパ球が32%、単球4%、好中球62%でした。そして、癌が消失していた時は、リンパ球が42~46%に上昇、単球が8~8.7%に上昇、好中球が45~41と理想レベルになっていました。私の場合、これまで、40年近く化学薬剤をほとんど摂取していませんでしたので、血液・生化学検査では異常値はほとんど見られませんでした。それでも、胃癌になったのです。それはリンパ球、単球の低下、好中球の増加が生じたからと推理しました。いつから癌が出来たのかはわかりませんが、それまでの自分の生命活動には大きな支障はありませんでした。病気のサインは帯状疱疹でした。これによって癌の発見に至りました。高分化型の腫瘍ですが、潰瘍の上に出来ていたので、このまま放置すれば、数ヵ月で全身に癌が拡がる恐れがあるというものでした。私は食習慣、生活習慣の徹底した改善と、自然界の野生生物の摂取を実践しました。
癌の消失後、私は定期的に血液・生化学検査をしています。昨年(2016年)から今年にかけて、3回、血液・生化学検査を受けましたが、リンパ球が45~46%、単球が7~8%、好中球が50~40%と免疫力も理想的に近い数値を維持し、他の検査でも異常はみられておりません。
次に、71歳の卵巣癌を摘出手術し、リンパ節の腫大があることで止む無く、1年前まで抗癌剤の摂取を行っえいた方についてお話しします。1年経過後、体調が思わしくないことから、血液・生化学検査を受けた時のデータとその後3週間、植物マグマを10g/日経口摂取した後のデータを表に示します。これは異常なデータだけをピックアップしたものですが、この1年間、化学薬剤は摂取していないとのことですが、それでも、リンパ球の低下、アルブミンの低下、貧血、炎症反応CRPの上昇、腫瘍マーカーCA125の上昇などがみられています。癌の発見以降、摘出手術と抗癌剤治療を受け、その後1年間の経過観察で、リンパ節の腫大が又、勢いをみせてきました。
私も癌にはなりましたが、化学薬剤を入れなかったので、貧血も、アルブミンの減少、炎症反応CRPの上昇、腫瘍マーカーの上昇などは一切みられず、各臓器、器官にも血液・生化学検査でみる限り、異常はみられませんでした。
私は化学薬剤等の治療が悪いとか、けしからんとか言っているのではありません。体に負担のかかる物質を入れたり、生活習慣をすれば、自分の体に異変が生じるというのは当然であることを患者本人が現実問題として認識してもらいたいのです。体を治す為に薬剤の治療が必要不可欠であるならば、それは大切なことです。でも基礎体力に影響が生じているならば、それを良くすることもしなければならないと思います。「知ってどうするのだ」と言う言葉を私はよく聞きますが、「自分の体のことを知らないでどうするのだ」と言いたいですね。病気になるより、ならない方がいいのは当然のことですが、なってしまったのなら、どのように治すのかが大切です。できるだけ体に負担をかけずに治すことが一番良いことですが、それには以前にも言いましたように、知恵と知識と忍耐力と自己責任力が必要です。一番悪いのは自分の健康状態を医者に丸投げすることです。主役は自分ですから、自分の体のことを他人に丸投げすることなど言語同断です。後になって、こんなはずではなかったとブーブー言っても、詮無いことですね。
さて、71歳の癌患者さんですが、手術前のデータが示されていないので、何故ここまで悪化したのか推測はつきますが、断言はできません。さて、「この2年間の癌治療で、病気が治ったと言えますか」と問えば、どんでもないと言わざるを得ませんね。薬剤投与を1年間やめた後でも、このような酷い検査結果だということです。そこに、植物マグマという野生植物のエネルギーとバランスを備えたものが体内に入ってきた時、司令塔は援軍が来たと思ったのではないでしょうか。そして、この不健康状態を打破する為に、次のような方法をとったことが、この血液・生化学データからうかがえます。今、この方の最も悪いのは炎症反応CRPが6.35とかなり高く、患者が酷く痛がっていたのです。それで植物マグマの摂取で、3週間後には、0.07と正常値でも相当、低いレベルにまで沈静化し、その結果、体は楽になり、痛みにのたうち回っていたのがウソのようだと言うのです。
免疫力もリンパ球が23から31に急上昇し、好中球が64から58に下がり、改善がみられ、この変化が、体を健康なレベルへと改善する大きな原動力になっていると思われます。その証拠に赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット値の上昇、総蛋白が6.7から7.7に、アルブミンが3.0から3.5に上昇し、基礎的な体力の充実には欠かせない項目の改善が示されているのは、司令塔が貧血や蛋白質の減少を改善させなければ健康の回復はありえないと考えたからでしょう。
一方、腫瘍マーカーは3種類とも上昇し、特にCA125は131から318に倍以上の数値になりましたが、腫瘍のことよりも、基礎体力の改善、免役力の改善、そして、痛みを伴う炎症反応を沈静化させることに重点を置いたと考えます。9月27日の血液・生化学検査データの結果から、患者さんが抗生物質や痛み止め、抗癌剤の投与を拒否され、自分の自然治癒力のアップによって症状の改善の実践手段を選ばれたのはまさに自己責任力と忍耐力の賜物と言うべきですね。
私はこうしたデータから、自然界が秘めた野生力とはかくもすごいものであることを再認識させられました。私たちの体は生物の養分やエネルギーとバランスなどによって生かされています。体力が落ちている時、その原動力の塊ともいうべきものを大量に入れれば、通常より早く元の自分に戻ることができるのは当然と思います。病気になった時こそ、自分の体に何が必要であるかを、見極められる知識を身につけるかつけないかで、その人の生命活動に大きな差ができると思います。
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