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Channel: 『植物マグマ』中山栄基 Official Blog
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【中山栄基の解説】 2018年1月5日に歌舞伎俳優の中村獅童さんがテレビで自らの肺腺癌の壮絶な闘病記を放映されました。

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2018年1月5日に歌舞伎俳優の中村獅童さんがテレビで自らの肺腺癌の壮絶な闘病記を放映されました。この番組の意図するところが何かは別として、癌患者にとって極めて早期の癌発見でも手術と抗癌剤での我が国の標準治療の凄まじさを見せていただき、私たちに幾つもの教訓と現状を教えてくれました。

中村獅童さんは昨年5月に肺の腺癌の極く初期のものが見つかり、10月に摘出手術をされ、抗癌剤の投与を受けながら、舞台に上がる稽古をつまれて、無事、舞台を努めあげ、更に妻の出産に立ち会われた内容の番組でした。この貴重な有名人の体験記から、私は自分も含めて、癌患者そして、癌だけでなく現代病を患っている方々が最も必要とすることをこの番組が教えてくれていると感じました。それは体のことを徹底的に知り、自分が患っている病気についての知識を得ると共に自分の体の状態を様々な検査成績から把握することだと痛感しました。

多くの方が、自分は医学に素人だから、専門家である医者にすべてを任せることが賢明であると考えるでしょうが、病気はその人個人が持っているもので、個人差があり、又、日常生活があり、病名は同じでも、病気は一人一人違うと思います。自分の病気に一番対応できるのは自分なのですから、その本人が自分の病気を医者任せにするのは恐ろしいことではないでしょうか。中村獅童さんがそうであるとか、ないとか、ということではありませんが、肺の摘出手術をして、直ぐに抗癌剤治療に入られたようですが、それは現代医療では当然のことだと思います。しかし、そのような過酷な治療を受けて、間もなくの舞台稽古の連続、意識朦朧となるような抗癌剤の副作用に耐えながらの稽古、そして本番の舞台と通常なら絶対安静にしていなければならない期間に、これだけ体を酷使しますと、その先が非常に心配です。体は順調に良くなっているとのことですが、手術をして、抗癌剤の治療をしたら、早期の癌であろうとなかろうと関係なく、自分の持っている体を防衛する免役力に個人差がありますが、かなりの低下は免れないと思います。そして、その低下がいつまで続くかはわかりません。しかし、神様は誰へだてなく、体に負担をかけたら、それに等しいだけの免疫力の低下をお与えくれると思います。

多くの方が癌の摘出手術をして、更に抗癌剤や放射線治療をして、癌を叩いたら、一件落着と考えていると思いますが、本当はこれが始まりなのではないでしょうか。それは何故かと言えば、何故、癌が出来たのかに由来します。自分の体をコントロールしている司令塔の働きがおかしくなって異常が生じ、それが長期間続くことで、形態学的に障害がはっきりして病気と診断されます。その司令塔の異常を私は白血球の分類(好中球、リンパ球、単球等のバランス)を物差しとして指標にしました。つまり、親から受け継いだ理想とされる免疫バランス(好中球40%、リンパ球50%、単球10%)から、どれだけ逸脱するかで、司令塔の働きが、100%から何%に落ちているかを知ることができます。そして、免役力の落ちている期間が一定期間になると体に異常が生じ、形態学的変化へと進んでいきます。癌もそうして出来る訳けで、長い期間かかって出来るのです。ですから、癌の標準治療をしたということは、只でさえ、免役力は低下しているはずで、更に過酷な免疫力の低下を強いらせ、体力の消耗を起こさせのですから、これからが第2段階目の病気に向かってのスタートとなります。神様は有名人であろうと、政治家であろうと、医者であろうと、金持ちであろうと等しく、その負担をお与えになります。だからこそ、体について、又、自分の病気についての【知識】が必要であり、それに基づいて、どんな養生をしたらいいのかが、その人の【知恵】になります。

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前にも触れたことがありますが、肺の腺癌で手術し、抗癌剤治療を行い、更に人工免疫療法を行い、自分では癌を克服したと思い、数ヵ月後に仕事に復帰したところ、しばらくして急激に免疫力が下がり、1年後には働くどころか、動けないほど悪化に陥った方がいます。野生動物は傷ついたり、病気をしたりしたら、兎も角、ひたすら体を休めて、体力の温存と体力の回復を待つといいます。

今、貴乃花親方が話題になっていますが、彼が現役の横綱の時、故障しながら、千秋楽まで土俵にあがり、最後は武蔵丸を破って優勝しました。当時の総理大臣の小泉首相が「感動した」と述べて、総理大臣盃を渡したのを記憶しておりますが、その無理の結果、貴乃花は1年間、土俵に上がれませんでした。しかし、それは土俵に上がれなかったのではなく、上がらなかったのではないかと私は思いました。万全の体調になるまで、じっと我慢して、まさに野生動物が体力が回復するまで静かに時を待つことを選んだのではと思いました。そして、土俵に上がって優勝しました。それは本人の【決意】と【決断】、そして【忍耐】の賜物です。

病気も同じです。休まなければいけない時は、歯を食いしばっても我慢して休まなければ、病魔は牙を研いで待っています。

人生は長いのですが、命は一つしかありませんので、代りは利きません。

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